大規模地震が発生するたびに高耐震な住宅が話題となります。東日本大震災、熊本地震、そして大阪北部地震以来、住宅の耐震性に大きな注目が集まっています。大規模な南海トラフ地震の発生も危惧されているので、ますます耐震性の優れた住宅の需要が高まっています。
目次
地震に強い家づくり・住宅の形はシンプルに
住宅の形状はシンプルで安定した形に!!
耐震性を高めるには、平面的にも立体的にもシンプルな形が良いのです。極端に細長い形や、でこぼこがある住宅は、地震の水平方向の力が加わったときに、複雑な揺れの影響を受けます。でこぼこがあるものは、つなぎ目の両サイドの揺れ方が違うため、つなぎ目に無理な強い力がかかって、そこからくずれやすくなるのです。地震に強い家を望むなら、なるべくシンプルな真四角の家がベストです。
「耐力壁」を十分な量を確保するべき!!
「耐力壁」とは、地震や風など、水平に働く力に抵抗できる強さの壁のことです。建築基準法では、屋根の重さ別に、床面積あたりの耐力壁の長さが定められていて、スレートや金属板のように軽い仕様の場合は29cm/㎡、かわらのように重い仕様の場合は33cm/㎡となっています。つまり屋根が重いほど、耐力壁を多く設ける必要があるわけです。
必要な量の耐力壁をバランスよく配置する!!
耐力壁の必要な量が理解出来たら、家全体にバランスよく配置していくことが重要です。「バランスがいい」とは具体的には建物の「重心」と「剛心」が一致しているということです。重心というのは建物の重さの中心で、地震の揺れの力がかかったとき、その力がかかる中心にあたるのです。一方、剛心とは、揺れによって動こうとする家をそこにとどめようと抵抗する力が働く中心です。つまり剛さの中心のことです。この重心と剛心の位置が近いほど地震に対して強く、重心と剛心のずれが大きいほど弱くなります。
耐力壁を必要な量だけ確保しても、どこかに大きく偏っていたり、ある一方向にしか入っていなかったりすると、剛心が重心とずれてしまい、地震の水平の力がかかった場合、剛心からはずれた弱い部分に力が集中して、住宅がねじれるように壊れてしまうのです。日本の建物は、南側に大きく窓をあけることが多く、その分、南側の耐力壁が少なくなりがちなので、剛心が北側にずれないように注意して配置する必要があります。また、上下階の耐力壁の位置はなるべくそろえましょう。
柱の位置もバランスが重要【木造は特に!!】
それぞれの柱にかかる荷重が均等になるように、バランスよく配置し、上階と下階の柱の位置もなることがベストです。このような柱が上下階の同じ位置のものを「通し柱」と言います。2階の柱の下に柱がないと、その柱にかかった荷重が土台まで均等に直接伝わらず、家全体の力の伝達バランスがくずれて、地震の水平方向に対する抵抗力が大幅に弱くなってしまいます。
柱の太さは、住宅金融公庫の「耐久性タイプ」の基準柱)は4寸(12cm角)以上、通し柱である隅柱は原則として4寸5分(13.5cm角)と定められています。これだけの太さがあれば、仮に木の表面が腐っていても、最低限必要な構造性能を長期ににわたり維持でき、その結果、地震にも強いといえるのです。
すじかいを入れるなどして丈夫な耐力壁をつくるべき!!
地震の力に耐える耐力壁をつくるためには、すじかいを入れるなどの方法が主流です。最近は、木造軸組み工法の場合でも、すしかいを入れるかわりに、強度と耐久性にすぐれている構造用合板を用いるケースも多くなってきました。耐力壁の強度は建築基準法で規定されていて、倍率であらわします。倍率が高いほど強度が高くなります。
火打ち梁を入れて強い床をつくる!!
梁柱の接合部分は金物で補強する!!
また、直下型地震のように縦揺れの場合も、―階の床を支えている大引きに入れてある通し柱が抜けないように、特殊金物を使うなどして接合の部分を強化するようにしましょう。基礎のコンクリートと土台の木材は、アンカーボルトでしっかり固定することが重要です。基礎のコンクリートの上部の幅は最低12m必要ですが、15mにすれば十分でしょう。
建築基準法観点から見る「地震に強い家」とは
ひと口に「地震に強い家」「耐震性の優れた住宅」といっても、人によって想像する強さには差がありますが、建築基準法で定められている地震に強い家の基準は次の2点です。
①数十年に1回起こる規模の地震が来ても生活ができることを保証しなければならない。②数百年に1回起こる規模の大地震が来ても、家が倒壊せす、人命が奪われないようにしなければならない。
つまり、現在の建築基準法の規定に沿った家づくりをすれば、どんな地震がきても、まず安全と考えられているのです。
どのハウスメーカーが地震に強いのか?
結局のところ、耐震性が高く地震の揺れに強い住宅は、木造よりも鉄骨住宅なコンクリート住宅であることは間違いありません。木造でもローコスト系ハウスメ-カーが採用している在来の「木造軸組み工法」が一番地震に弱いと言えるでしょう。ですから、アイフルホームでは「木造軸組み工法」に「パネル工法」を併用して、耐震性を向上させています。
木造の中でも、「ツーバイフォー工法」や「ツーバイシックス工法」、「木質パネル工法」は、メーカーによっては鉄骨住宅並みの耐震性があると言われています。しかし、「木造軸組み工法」よりもかなり高価になってしまうデメリットがあります。耐震性だけに特化して考えるなら、コンクリート住宅はコスト的に難しいでしょうから、鉄骨住宅が最善の選択と言ってよいでしょう。
鉄骨住宅のハウスメーカー
メーカー名 | 商品名 |
積水ハウス | 「イズシリーズ」「ビーシリーズ」 |
大和ハウス | 「ジーヴォΣ」「ジーヴォE」 |
へーベルハウス | 「フレックス」「キュービック」 |
セキスイハイム | 「パルフェ」「ドマーニ」 |
パナホーム | 「カサート」「ハイムbj」 |
トヨタホーム | 「シンセシリーズ」「エスパシオシリーズ」 |
ツーバイフォー工法・ツーバイシックス工法のハウスメーカー
●三井ホーム
●セキスイハイム
●三菱地所ホーム
●東急ホームズ
●ウィザースホーム
●住友不動産
●セルコホーム
●ミサワホーム(木質パネル接着方法)
●ヤマダ・エスバイエル(木質パネル接着方法)
地震、火事、台風など、いつ襲ってくるか分からない災害です。身のまわりには、物騒な事件も年々増加しています。「うちに限って」の油断は禁物。万が一の場合に備えて、 大切な家族を守ることができる安全と安心の家づくりをめざしましょう。
燃えにくい建材で火事に勝つ
火に強い家は、燃えづらく、延焼を防げ る建材や構造でつくることがとても大切です。不燃材料や準不燃材料をうまく取り入 れて、外からも内からも耐火性の高い家を つくりましょう。
●内外装材
台風による被害を防ぐ 強い構造にする
●豪雨への対策
●暴風への対策
●雨にも風にも耐える屋根つくり
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