「瑕疵担保責任」と「住宅性能表示制度」

家づくり

住宅の欠陥は、残念ながら住んでみないと分からないでしょう。そこで施行されたのが、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」です。 品確法は「新築住宅の瑕疵担保責任の特例」、「住宅性能表示制度」を中心とした法律ですが、後者は義務ではなく任意制度です。契約時には、必ず保証内容と加入状況について確認しましょう。

瑕疵担保責任とは?

住宅完成後の建主を守るためのものです。住宅に通常では発見できない瑕疵=欠陥があった場合、施工会社が負うべき賠償責任のことです。注文住宅の施工を依頼する工事請負契約を結んだ場合は、住宅の引き渡しを受けてから10年以内に「構造耐力上主要な部分」あるいは「雨水の浸入を防止する部分」に瑕疵が認められたとき、建主は施工会社に損害賠償を請求することができます。簡単にいえば、建主が常識的な住まい方をしていたにもかかわらず、10年以内に基礎に構造上問題になるようなヒビが入った、屋根や外壁から雨漏りがしたなどの場合に、施工会社は原則無料で補修・修理をする責任があるということです。

2008年にはさらに住宅瑕疵担保履行法が施行され、施工会社はその責任を果たす資力を確保するために、国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担イ呆責任保険法人」の保険に入ることも義務付けられました。建主は引き渡し時に保険契約を証明する書類を手渡されます。これがあれば、万一施工会社が倒産しても、建主は保険法人に連絡することで、保険法人から瑕疵の状況に応じた必要な費用を支払ってもらうことができます。なお保険加入の費用負担は、一般的には建主となります。

アターサービスとの違い

アフターサービスは「瑕疵の有無に限らず」一定の不具合について補修などを行うもので、施工会社や売主が独自に設けるサービスです。壁紙や塗装のはがれ、設備の作動不良から屋根・外壁の雨漏りまで範囲はさまざま。きちんと内容を確認しておきましょう。

住宅性能評価とは?

国から指定を受けた機関が、統一基準で住宅の品質を調査・評価する制度です。設計図書のチェックと4回にわたる建設現場のチェックを行い、評価書を交付します。設計や環境性などに高い評価を受けた住宅は、施工業者との間にトラブルが起きた場合、指定住宅紛争処理機関が問題を処理してくれます。

住宅性能評価のポイント!!

①地震などに対する強さ(構造の安定)②火災に対する安全性(火災時の安全)

③柱や土台などの耐久性(劣化の軽減)

④配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策

⑤省エネルギー対策(温熱環境)

⑥シックハウス対策・換気(空気環境)

⑦窓の面積(光・視環境)

⑧遮音対策(音環境)

⑨高齢者や障害者への配慮

⑩防犯対策

「品確法」の3大ポイント

①瑕疵担保責任を最低 10年間義務づける②住宅性能表示制度 を創設

③裁判外の紛争処理制度 で解決を迅速化

欠陥住宅などの住宅をめぐるトラブルが社会問題化し、住まいの品質に関する関心も高まっています。素人には判断しにくい住宅の性能ですが、わかりやすい基準づくりを求める声が多くあり、平成12年に施行されたのが「住宅の品質確保の促進などに関する法律」です。

ポイントは前にあげた3つです。①新築住宅において、柱や梁などの基本構造部分、雨水の浸入を防ぐ防水部分に欠陥(瑕疵)があった場合、引き渡しから10年間は施工者に無償補修か損害賠償の支払いが義務づけられる、②住宅性能表示制度は、住宅の性能を客観的に表示して、消費者が比較、検討しやすくするというものです。利用する、しないは建て主の任意です。③性能評価を受けた住宅に関わるトラブルを処理する指定住宅紛争処理機関の設置などです。

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