ローン選びで重要なのは金利の見極め

住宅ローン

 

金利の見極めが重要

家という高額商品の購入を検討する人を対象に、総支払額まで含めたファイナンシヤループランニングを実施する住宅メーカーや工務店が最近増えています。それは、誰にもわかりやすい物件価格以外でも、住宅にはたいへん人きなお金が必要だからです。

プロの知識を借りながら、自分の生涯年収や子どもの教育費、老後のことなど、人生のさまざまなステージで必要なお金をシミュレーションしたうえで、物件価格をはじめとした諸経費、ローン利息を含む家の総支払額と自分のライフプランとの訓和点をみつけていかなければなりません。すでに説明してきたように、住宅を購人し維持していくためには、いろいろなお金が必要になります。

住宅ローン選びは土地や建物以上に重要

家を建てるのに必要なお金のなかでも、総支払額にもっとも大きな影響を与えるのはローンの選び方でしょう。じつは人生でもっとも高価な買い物は家そのものではなく、住宅ローンだといっても過言ではないほどなのです。

たとえば、2%の金利で3000万円を借り35年で完済するローンを組むと、利息だけで1180万円になり、返済総額は4180万円にものぼります。これが3%だと利息分だけで1850万円。たった1%の金利の違いと甘く考えていると、返済額は700万円近くも跳ね上がります。つまり、どんなローンを選ぶかは土地や建物選びと同等かそれ以上に、慎重に行わなければならない最重要事項のひとつなのです。世のなかには、住宅ローンに関する情報が少なからず出回っています。なかでも住宅ローンの選び方やメリット、デメリット、返済年数、繰上返済によって総支払額がどの程度変化するかなどは、必ず押さえておきたい知識です。

さまざまなタイプに分かれる住宅ローン

住宅ローンは、代表的なものだけでも、返済全期間を通じ固定金利で支払額が一定の分、比較的金利が高めの「固定金利型」をはじめ、3年、5年、10年などの一定期間の金利を固定とし固定金利型よりは金利が低めの「岡定金利選択型」、返済期問中の金利変動にあわせて定期的に金利を見直す「変動金利型」など。

たとえば「固定金利型」ならローン支払い期問中の支払額がある程度みえているので安心ですが総支払額は少々高めです。一方「変動金利型」ならば金利が下がれば支払額は減少しますが、その逆もあり得ます。それぞれにメリット、デメリットがありますので、それらをきちんと考えたうえで選ばなければなりません。住宅ローンの選択は物件を選ぶのと同しくらい、あるいはそれ以上に慎重に行うべきものです。

一般的に住宅メーカーや工務店が用意してくれる提携ローンなどは、家を買う人にとって有利なものであるケースも少なくありません。だからといってなにも考えずにそのまま契約するのではなく、ファイナンシヤループランナーなどの専門家と十分に相談しながら、自分の生涯のマネープランと照らし合わせ、じっくり検討してみることが大事です。家を買ってから住宅ローンを借り換えるのは難しいことも多く、購入時にその知識があるかどうかが長い目でみた場合の資金計画に大きく影響します。上手にローンを組めば、住宅ローン選びに無頓着なまま考えた予算より、ワンランク上の住宅を購入することができるかもしれません。

さまざまな形の民間住宅ローン

住宅ローン金利の闇

民間金融機関の住宅ローン商品の多くは、変動型金利か短期固定型金利です。現在の超低金利時代には有利な金利設定となります。今後の住宅ローン市場は、民間金融機関の主導で形づくられることになります。ただ、民間住宅ローンと一口にいっても、その種類や形態はさまざまです。―つの金融機関で多様なメニューを用意している場合もありますし、そのメニューの内容も金融機関によって違ってきます。さらにはいろいろなオプション設定もあり、まさに百花繚乱といった状態です。

ここでは、主要なメニューやオプションの類型を見ていきましょう。まずは金利タイプ別の構成です(左図参照)。基本的に民間金融機関の住宅ローンは、預金などの短期調達資金がその原資となるため、変動金利型もしくは短期(2?3年)の固定金利期間選択型が中心になります。左図からもわかるように、8割近くを変動金利もしくは短期固定型が占めているのが実状です。2005年からは住宅金融公庫と民間金融機関がタイアップする「フラット35」もかなり広まってきましたので、民間金融機関を通じて長期固定金利型を選択することが可能になりましたが、民間が独自に提供する住宅ローン商品は変動金利もしくは短期固定が主流であることに変わりありません。

その変動・短期固定型ですが、現在は、金融市場全体の短期金利自体がまさに。超”の付く低金利で推移していますので、住宅ローン商品も2%台のものがほとんどで、エンドユーザーも当面の返済額の低いタイプのローンを選択しがちになります。ただし、いつまでこの超低金利状態が続くのかは、誰にもわかりません。

一方、住宅ローンのオプションですが、実に多様な選択肢が用意されています。所得補償保険付きローン、高品質住宅優遇ローン、取得費用全額融資ローン、借り換え・住み替えローン、定期借地権付き住宅向けローン等々です。民間金融機関の問でも住宅ローンの顧客争奪戦はますます激化していますので、金利自体ではなかなか差別化を図れない現状の下、今後はさらにオプションで付加価値を高めた住宅ローン商品が登場してくることでしょう。

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