自営業者や女性、お年寄りでも借りれる住宅ローン

自営業者や女性、定年後のお年寄りと言えば、数年前までは住宅ローンを組むことが非常に難しい現実がありました。しかし、2019年現在では少し変わってきているようです。金融機関にとって住宅ローン市場は、いくら競争が厳しいとはいえ、金利で競うには限度があります。大幅な金利引き下げをしてしまえば逆ざやになって、経営を危うくしてしまうからです。このため、金利以外のいろいろな面、いわば付加価値やサービスを高めて差別化を図ろうという動きが目立っています。

10年前にはなかったのですが、いまや疾病保障付きのローンはほとんどの機関が扱うようになっています。これは、病気やけがなどで働けなくなったときには、一定期問保険金で住宅ローン返済が不要になったり、減額されたりするものです。さらに、ガンなどの特定の疾病については、医師から診断された時点で保険料の支払いが不要になり、その状態が１年間続くと、住宅ローン残高分の保険金が支払われて、ローン残高がゼロになるといったしくみのものもあります。このガンの保証に関しては、地銀などでは診断された時点でローン残高がゼロになる商品もあります。また、雇用や収入への不安が高まるなかで注目されているのが所得保障保険付きの住宅ローンです。この特約を付けていれば、失業などで収入が途絶えたときにも、一定期間は保険金でローン返済をカバーすることができます。利用者はまださほど多くないようですが、今後は増える可能性があります。もちろん、加入するには毎月返済額に加えて、一定の保険料負担が必要になります。保険料は保障の内容によってかなり異なってきます。

自営業者などには嬉しい「預金連動型の住宅ローン」

東京スター銀行が実施しているのが、預金連動型のローンです。いま、大きな注目を浴びている住宅ローン商品です。これは、預金の残高相当分については、金利をなしにするというものです。たとえば、住宅ローン残高が3000万円で、預金が500万円なら、金利がかかってくるのは2500万円分になるわけです。しかし、金利は一般的な住宅ローンに比べると少し高くなるのがデメリットです。本来は、預金を増やす余裕があるのなら、それを繰上げ返済にまわしたほうがお得なのですが、個人的な事情や仕事の都合から、手元に一定額の預金を残しておきたいという人には、嬉しいしくみかもしれません。特に事業資金を必要とする自営業の人などは、いざというときに、いつでも動かせる当座の預金があれば、資金繰りを心配せずに経営することができるでしょう。

さらに、通常、住宅ローンの金利は融資実行日の金利ですが、なかには一定の条件で申込日の金利を適用するローンもあります。中古住宅や注文住宅など、申込みから実行までの期間が短いことが条件になりますが、利用者からすると事前に金利が確定するので、安心感が高まります。

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借りにくい人でも 借りやすくしたローンも登場

自営業の人をはじめとして、銀行の審査などでは、何かと不利になる人がいるのは確かです。ひと昔前よりも緩くなったとは言え、それでも会社員や公務員と比べると、厳しいのは確かです。けれど近年は、そんな人向けのユニークなローンもたくさん出てきています。たとえば、不動産会社や銀行にとって、かつて女性はあまりいいお客とはみなされませんでした。しかし、最近は様変わりしています。男性よりむしろ女性のほうが計画性にすぐれ、確実に返済してくれるという認識が銀行にも広がり、女性については金利を低く設定してもいいのではないかという考え方さえ広まってきているのです。それによって、女性向けローンという商品が開発され、いまではかなりの金融機関がさまざまな女性向けローンを実施しています。当初の金利を低くするだけでなく、出産や育児期間中の金利を下げるといった、女性特有のサービスをかかげているものも少なくありません。

また、外国人や高齢者専門の住宅ローンもあります。銀行などからみればリスクが高くなるため、金利は少や高めに設定されますが、安定収入のある人なら積極的に外国人も顧客に取り込んで、営業拡大を図ろうということでしょう。また、お年寄りについても、会社からの収入がなくても、賃貸住宅などを所有して、一定の収入がある場合には、融資していこうとするローンが出てきています。