住宅取得の資金計画 失敗しない心得

住宅ローン

資金計画の心得 【住宅取得】

返済は「少しでも早くって本当」?

先に結論:住宅ローンはあせって返してはいけません!!

住宅ローンは1日でも1円でも早く返したほうが得なのでは・・・と思う方が多いでしょう。
多くの本や雑誌にもそう書いてあります。実際に私も以前は、「借金は早く返したほうが得ですよ」と、話していました。でも、今は違います。状況が変わっているのです。今は「住宅ローンはあせらず、余裕をもって返してくださいね」と言っています。「借金は早く返したほうが得」と言われていますが、この場合の「得」とは、金利のことです。金利だけを考えれば、1日でも1円でも早く返したほうが得であることは、今も変わらない事実です。

しかし、早く返したほうが金利が得だからと無理をして住宅ローンを返そうとして、そのために今まで以上に働いたり、生活を切り詰めたり、欲しいものを我慢するのでは、住宅ローン 返済のための人生になってしまいます。これでは、「家なんて建てなければよかった」ということになるかもしれません。また、貯金がない状態で生活をすることほど、不安なことはありません。遊びに行く時に、財布の中に3000円しかない場合と、3万円人っている場合では、気持ちの余裕が全然違うはずです。結果的に3000円しか使わなくても、「3000円しか使えない」と「3万円あるから心配ない」とでは余裕が違います。 日々の生活も同じです。住宅ローンの返済ばかりに目が行ってしまい、気持が苦しくなってしまうより、余裕をもって返済し、楽しみながら暮らしたほうが、豊かな生活ができるのではないでしょうか?

繰り上げ返済の損得
さらには、「余計な金利は払いたくない」とおっしゃる方もいます。繰り上げ返済をしていけば、返済分は元本に充当されますので、元本と同時に利息もどんどん減っていきます。余裕があるなら、繰り上げ返済をしてください。しかし、変動金利(次項参照)で住宅ローンを借りているのであれば、金利が上がってしまえば、繰り上げ返済も思ったような効果が期待できません。今は不景気の真っ只中です。サラリーマンの平均収入も減っています。でも、今から30年前の大学卒の初任給は10万円でした。現在は20万円強ですので、この30年で所得は2倍になった計算になります。ですから、できるだけ長く、余裕を持って返したほうがいいのです。金利計算で1000万円得と言っても、時が経って金利が変われば目減りすることがあります。意外と「住宅ローンを払っていて得をした」なんていう時代が来るかもしれません。

返済金の内訳は元金と利子

先に結論:返済は利子よりも元金を先に返す!!

住宅ローンには2通りの返済方法があります。「元利均等返済」と「元金均等返済」です。この2つの方法はあなたにとって、何かどのように違うものなのか説明します。元利均等返済とは、毎月の返済額は完済するまで変わりません。返済金の内訳が変わる のです。最初は利子をたくさん返済し、完済に近づくにつれて元金を多く払っていくという方法です。元金均等返済の場合は、返済する元金の額がいつも同じです。元金に加えて利子を支払うので、完済に近づくにつれて利子の支払額は減っていきます(次ぺLン図参照)。双方を比較すると、元金均等返済だと初期の段階では毎月の支払額が大きくなります。しかし、後になるにつれて金額は小さくなりますから、返済が楽になります。利息の総額も元金均等返済のほうが少なくなります。元利金等返済と元金均等返済の特徴を簡単に述べると、次の通りになります。

【元利金等返済】

メリット

・毎月の返済額が一定のため、返済計画が立てやすい
・当初の返済負担が低い

デメリット

・元金均等返済に比べ、返済総額が多くなる
・残高の減り方が遅い
【元金均等返済】

メリット

・元利金等返済に比べ、返済総額が少ない
・借入残高の減り方が早い

デメリット

・当初の返済額が大きい
・すべての金融機関で扱っているわけではない

あなたなら、どちらを選びますか?このサイトの趣旨から言えば、元金均等払いがお得です。元金を着実に減らしていきますから、返済総額が低く抑えられます。しかし、返済開始当初の金額が大きくなりますので、給料の低い若いうちにたくさんの返済をすることになり、子育て世代には厳しい返済方法かもしれません。どちらにも長所と短所がありますから、事情に応じて使い分けることをおすすめします。

ボーナス払いは利用したほうがいいの?

先に結論:ボーナスはあてにするな!!

今や、夏と冬のボーナスの支給をあてにできる時代ではありません。労働組合が整備されている企業であれば、経営者が勝手に賞与額を決めることはできませんが、中小・零細企業ならば、はっきりした根拠が示されないままに、社長の腹一つで金額が大きく変わったりすることもあるでしょう。大企業ですら派遣切りをしている今の経済状況では、「業績が悪いので、ボーナスは前回の半分です」というようなことも起こりうることです。

住宅ローンの支払いにおいては、「ボーナスは口約束程度のもの。支給されるかどうかは結果次第」と心得ておいたほうがいいでしょう。つまり、あてにしないということです。これまで成長を続けてきた日本の社会では、給料もボーナスも必ず支給されるものと考えられてきましたが、今や給料すら危うい時代です。10年先のことなど予測もつきません。資金計画を立てる際の大切なポイントとしては、これまでのボーナスの金額を基準にして住宅ローンの支払いを決定するのは厳禁だということです。

頭金つていくら必要なの?

先に結論:頭金を上手につくることが重要!!

たとえ貯金がゼロであっても、家を建てるための情報収集をしながら、月額2万円程度の貯金にチャレンジしてみてください。そのために必要なのは、家計の見直しです。ムダな出費がないかどうか、一度徹底的に見直してみましょう。そして見つかったムダは即座に改めます。このとき、ムダだったお金は頭金貯金の口座に入れておきましょう。税金の還付金やその他臨時収入などがあれば、これも頭金口座に入れます。

住宅ローンを組む場合、公的資金融資であれば、かつては購入価格の80パーセントまでしか融資をしてくれませんでした。残り20パーセントの頭金は自分で用意しなくてはならなかったのです。現在でも、「頭金は20パーセントが理想的」と言われます。しかし、銀行のローンの中には、頭金なしでも惜り入れが可能なものもあります。もちろん、頭金なしでローンを組むと、利息額は頭金がある場合よりも大きくなります。 現在では、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携している長期固定金利の「フラット35」という住宅ローン商品は、購入価格の90パーセントまで借り入れ可能です。低金利時代では、頭金を貯めるのを待つよりも、このような住宅ローン商品を活用するのも一つの方法だといえるでしょう。

借りられるだけ借りるのは危険!!

土地や物件探しを始める前に、まず決めておかなければならないのが予算です。住宅購入の予算のベースになるお金は3つあります。銀行などから住宅ローンとして借りる「借入金」、預金している「自己資金」、両親や祖父母からの「援助金」です。銀行から融資限度額いっぱいまで借りれば、より高額な物件にも手が届きますが、「返せる額」を考慮することが重要です。一般的には65歳から現在の年齢を引いた年数を返済期限の上限とし、返済期限×年収×25%〜35%が最大返済額と言われています。

しかし、この計算で算出した額を借りられるだけ借りてしまい、返せなくなってしまうとせっかく手に入れた物件を手放さなくてはならなくなってしまう可能性もあるのです。生活費や家の維持費を考慮しつつ無理のない返済プランを立て、計画的に返済することを重視しよう。

まとめ

お金はどんどん返してはいけない
返済は利子よりも元金を先に返す
ボーナスはあてにしない
頭金を上手につくる

※提携ローンが良いに決まっている!!【手続きがラク?!】

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